臥龍庵 裏千家茶道教室

裏千家茶道のお手前

且坐喫茶 | さざきっさ

 且坐喫茶(さざきっさ・しゃざきっさ)とは、「しばらく座して茶を喫せよ」「まあ座ってお茶をおあがり」という意味です。しかし、この言葉は単にお茶をすすめる意味で使われるのみならず、茶室においてお茶を楽しむための心の持ち方もあらわしています。

且坐喫茶の掛け軸

且坐喫茶

 しばらく座って、一杯のお茶にじっくりと向き合うこと。茶を飲むことで心を落ち着け、目の前の相手や環境に深く感謝し、今という瞬間を味わう行為として考える態度のことをあらわしています。

主菓子:紅白のきんとん

主菓子

黒い楽茶碗に入った濃茶

濃茶

 鎌倉時代に茶と共に伝えられた且坐喫茶の語は、唐の末期に禅の臨済宗を開いた臨済の言行をまとめた『臨済録』にみられます。喫茶の文化は禅とともに室町、戦国時代を経て安土桃山時代に千利休により和敬清寂(わけいせいじゃく)の茶の湯として大成されました。江戸時代には一期一会(いちごいちえ)、出会いが一度きりのものであり、その一瞬一瞬を大切にして一服の茶に向き合うことが重んじられ、今日まで受け継がれてきました。

干菓子と薄茶

干菓子と薄茶

紅葉の香合

香合

 いまでも茶室で過ごすひとときのなかに、現実の喧騒から離れ、心を無にし、一杯のお茶にじっくりと向き合う「且坐喫茶」の精神が息づいています。ここ臥龍庵 裏千家茶道教室でも、一杯のお茶にじっくりと向き合う「且坐喫茶」の精神を大切に毎週お稽古をしております。