臥龍庵 裏千家茶道教室

裏千家茶道のお手前

びらき | くち

 夏の間は使っていなかった炉(ろ)に火を入れることを炉開き(ろびらき)または開炉(かいろ)といい、初冬の季語となっています。旧暦では十月から十二月が冬。初冬にあたる十月は亥(い、いのしし)の月で、昔は亥の月の亥の日に炉開きを行いました。

亥の子餅(いのこもち)

亥の子餅(いのこもち)

 今の新暦は一か月ほどずれるので、旧暦十月は新暦11月ごろ。千利休が大成したわび茶では四月(新暦5月)から半年間は風炉(ふろ)、十月(新暦11月)から半年間は炉(ろ)を使って湯を沸かします。千利休は「柚子の色づく頃を待って炉を開く」と教えました。

炉

 11月7日ごろは二十四節気のひとつの立冬(りっとう)。炉の釜の湯が沸く音を聴いて、冬の訪れを感じます。

粟善哉

粟善哉

濃茶

濃茶

 また11月は、初夏に摘んで壷に詰め半年間熟成させた新茶を使い始める口切り(くちきり)の時期で、茶人の正月(ちゃじんのしょうがつ)とも呼ばれます。ここ臥龍庵 裏千家茶道教室でも炉を開き、部屋のしつらえも新たにして、粟善哉(あわぜんざい)で1年の除災招福を祈願し、皆で濃茶を味わいます。

老松「吹き寄せ」と岸松園「三都の白」

老松「吹き寄せ」と岸松園「三都の白」